Top > コラムERP導入でB2B業務を革新|FAX・電話・Excel業務の完全デジタル化

公開日:2025年6月10日
文:マーケティング担当者

ERP導入でB2B業務を革新

FAX・電話・Excel業務の完全デジタル化

ChatGPT Image 2025年6月2日 18_18_38

 

企業間取引(B2B)の現場では、受発注、在庫確認、納期調整、請求処理など多岐にわたる業務が毎日行われています。しかし、それらの多くは今なおFAXやExcel、電話に依存し、業務の属人化・非効率化・ヒューマンエラーの温床となっています。

このような状況に対し、ERP(統合業務管理システム)とAIを活用した業務改革が注目されています。本記事では、B2B企業がERPを導入し、AIと連携することで商流の透明性・正確性・スピードをどう高めていけるのか、その方法と実例を紹介します。

 1.B2B企業における典型的な課題

① 商流データの分断と属人管理

仕入・販売・物流・請求などの情報が、各部門や担当者ごとに分かれ、システム間での連携が取れていない。結果、全体最適ができず意思決定が遅れる。

② 誤発注・納期ミスの頻発

Excelベースの受発注管理やメール/FAXでのやり取りが多く、入力ミスや伝達漏れによる誤出荷・納期トラブルが発生しやすい。

③ 取引先との連携不足

サプライヤー・販売代理店・物流パートナーとの情報共有が遅れ、在庫過多・欠品・過剰納品などが生じやすい。

2. 解決の鍵は「ERP+AI」による商流基盤の再構築

ERP導入の本質は“業務の標準化と見える化”

ERPは、受注→在庫→出荷→請求→入金までを一貫して管理するプラットフォーム。業務ごとのサイロ化を解消し、リアルタイムで全体の流れを把握できるようになります。

AI活用で“予測と判断”を自動化

  • 過去の取引データから需要をAIが予測し、最適な在庫量や発注タイミングを提示

  • AIチャットボットにより、取引先からの問い合わせ対応を自動化

  • 異常値検出による請求ミス・納期遅延の早期発見

取引先とERPを“つなぐ”ことで真価を発揮

EDIやAPI連携を通じて、ERPを外部パートナーと接続すれば、受注→出荷→請求までが完全ノンストップで流れる仕組みを構築可能。これが“商流の自動化”です。

3. 実際の導入事例と成果

事例①:電子部品メーカーA社

課題:月3,000件以上の注文処理をFAX+手入力で対応していた。

導入後の効果:

  • ERPと取引先のEDIを接続し、99%以上の受注処理が自動化

  • 入力ミスによる返品・再出荷が激減(前年比▲85%)

  • 担当者はルーチン処理から解放され、顧客対応に注力

事例②:業務用食品卸B社

課題:得意先別の発注パターンが属人的で在庫ロスが多発。

導入後の効果:

  • AIで得意先ごとの発注傾向を学習し、適正な発注予測を自動表示

  • 取引先からの「前回と同じで」注文もAIが解釈しERPに自動反映

  • 結果として在庫回転率が20%以上向上、欠品率は半減

4. まとめ:ERPは“内と外”をつなぐインフラ

B2B企業にとってERPは、単なる社内システムではなく、「社外との連携を前提にした商流インフラ」としての役割が増しています。

ここにAIの力を加えることで、煩雑で属人的だった商流が**データとロジックに基づく“仕組み”**に生まれ変わります。業務の見える化、自動化、スピードアップ、そして取引先との関係強化──そのすべてを実現する鍵は、ERPとAIの融合にあります。